マレーシア・ジャングル放浪記inタマンネガラ⓶
マレーシア・ジャングル放浪記inタマンネガラ③
世界で最も古い熱帯雨林の一つで、1億3000万年前から、ほとんど姿を変えていないとも言われる。本当はオーストラリア・クインズランド州の熱帯雨林の方が、若干古いらしいが、こういう時、英語の「ワン・オブ・ザの後に最上級」という表現は便利だ。「最も古いものの一つ」という、日本語的にはちょっと違和感のある表現を使えば、ナンバーワンでなくとも、ナンバーワンのように印象付けることが可能なのである。ナンバーワンにならなくてもいい。もともと特別なワン・オブ・ザ・最上級なのである。
マレーシア・ジャングル放浪記inタマンネガラ④
子供の頃の遊びを思い出す。蛍光塗料を塗ったお化けや骸骨のおもちゃを寝室の天井に貼り付けて、電気を消す。お化け屋敷ごっこだ。真っ暗な部屋の中で、お化けたちだけが青白く光っていて、不思議に興奮したものだ。昔の子供たちの遊びは素朴だったなー。
森上信夫さんの「虫・むし オンステージ」
スマホの小さな画面の中ではなくて、大きな自然の中で、自分の足と手と、耳と鼻と目で、すごい虫、芸術的な虫、おもしろい虫を見つけた時の感動を味わってほしいものです。
笑っちゃいますね。でも、本当はイモムシのお尻なんか眺めて面白がっている人間の方が、虫に笑われているのかも。
マレーシア・ジャングル放浪記inタマンネガラ⑤
森には地面があれば、屋根もある。キャノビー(樹冠)とは、森の緑の屋根である。しかし悲しいかな、人間は鳥のように飛ぶことはできない。屋根の上の世界を見ることは難しい。だから、キャノピーウォークがある。ジャングルの数々の巨樹を支柱にして、その間を吊り橋で結んだようなキャノピーウォークは、上から森を見たいという、鳥になりたいという、人間の強い欲望の成せる構造物だ。長さ400メートル以上のキャノピーウォーク。地面からの高さは40メートルもあるという。これはもう期待に胸が膨らむではないか。まるで、豊胸手術をしたかのように、はちきれんばかりに、胸が膨らむ。
マレーシア・ジャングル放浪記inタマンネガラ⑥
「おお、ヌーディストだ」。目の前に、燦然と輝く人間の裸体が一つ。トラシャクに気を取られていたので、近くの木陰で仁王立ちになっていたヌーディストが全く目に入っていなかったのだ。
東京大学総合研究博物館で珠玉の昆虫標本特別展
最寄り駅は大江戸線と丸の内線の本郷3丁目。丸の内線なら2番出口ですが、大江戸線の4番出口が最高です。涼しい木陰の小道を、東大の古いレンガの壁沿いにほんのちょっと歩いたらもう懐徳門。この門は東大総合研究博物館のためにあるような門ですから、門を入って右を見れば、博物館入口が、昆虫愛好家を飲み込もうと待ち構えています。
こんなすごいものを見つけてしまうとは、そしてそれを日本に残してくれるとは、さすがガロアさん。尊敬します。
日本最古の江戸時代の昆虫標本が、フランスに持ち帰られたら、今頃はパリの自然史博物館あたりの収蔵物になっていたかもしれないのです。
この標本の中にあるゴミアシナガサシガメは、当時は普通種だったようですが、その後絶滅したと思われていた時期もあったほど、珍しい虫。
ミドリゲンセイはツチハンミョウ科の毒虫で欧州南部や中央アジアにいる緑色に輝くきれいな虫。毒薬、催淫薬として使われた歴史があり、江戸時代には薬の材料として日本に輸入されていたようです。
昭和初期の標本の中には、東京で採集されたベッコウトンボとか、今の東京・代々木公園あたりの草原で採集されたオオウラギンヒョウモンとかもあって、びっくりします。
国内有数の収集家、江田茂氏のコレクションは見事です。
今回展示されたブータンシボリアゲハは、2011年に日本・ブータン共同調査隊によって約80年ぶりに再発見されたもの。調査隊が作成した標本が、のちにブータン国王から日本に贈呈されました。
NHKの取材に応じる矢後氏です。矢後さんは、虫記者の友人の昆虫文学少女、新井麻由子ちゃんが頼りにしている先生でもあります。
五十嵐氏の標本としては、地味な感じながら、非常に貴重なのがオナシカラスアゲハです。
矢後氏によれば、右端のメスは日本にはこれ1体しかなく、高級スポーツカーのフェラーリが買えるくらいの値が付いてもおかしくないとのことです。
ミイロタテハは表も裏もきれいです。
「こういう展示で虫に囲まれる。そこから知的好奇心とかが生まれてくればいい」と矢後さんは言います。
東大総合研究博物館のいいところは、周辺で虫探しができるという、都会としてはかなり恵まれた環境です。しかも東大のキャンパス内ですから、お子様の教育にとって悪いはずがありません。
三四郎池の周辺など、緑が多く、虫探しの環境としても、お勧めです。
昆虫展を見た後で、虫探しをする際には、必ず長袖にして、虫除けスプレーをかけましょう。
今や東大も外国人にとっての観光名所の一つになっているようで、観光バスから、中国人観光客などが、ドッと吐き出されている場面に遭遇するかもしれません。
土産物屋のすぐ先には、観光客をもてなすために作られたと思われる素敵なカフェテリアもあります。
マレーシア・ジャングル放浪記inタマンネガラ⑦
東京都心、夏の公園虫散歩(水元公園)
ユスリカを捕まえたクロイトトンボのオス。蚊を退治するのも、トンボの重要な役目です。
水元公園で一番多い大型のトンボは、このウチワヤンマです。
ウチワヤンマが交尾すると、お尻の先のウチワの部分が、渦巻きのように見えて、何が何だか分からないグチャグチャの絡み合いになってしまいます。
羽の一部が赤いのでたぶんネキトンボ。
コシアキトンボもシンプルで美しいですね。
マレーシア・ジャングル放浪記inタマンネガラ⑧
東京都心・夏の公園虫散歩(原宿のカブト、ノコギリクワガタ)
こんなところに大きな森がありますね。
調査に出かけたのは、7月下旬の早朝。車を廃車にした現在、都心に住む虫記者が電車で出かけて、早朝にカブトやノコギリクワガタに出会える場所は、極めて限られているのです。もし、ここ原宿で出会えなければ、今年はもうその姿を目にすることはないかもしれないのです。
樹液にはコクワガタの♀や、アオオサムシ、キマワリなどの姿も。
マレーシア・ジャングル放浪記inタマンネガラ⑨
◇キノコを生産するシロアリ
マレーシア・ジャングル放浪記inタマンネガラ⑩
◇ジャングルで軽装の西洋人に文句たらたら
東京都心・夏の公園虫散歩(水元公園続き)
そして間もなく、アカボシゴマダラの夏型が登場。また次々と産卵していきます。
中央をスズメバチに占拠されて、脇から恐る恐る黄色い口吻を突き出しています。この樹液酒場でも、在来種のゴマダラチョウを見かけることはありませんでした。
ヨモギでも同じく地味なカメノコハムシを見つけました。ヒメジンガサハムシ(別名ヨモギカメノコハムシ)というそうです。
この暑さの中で、暑苦しい白いミンクの毛皮のコートを羽織っているのは、クサカゲロウの仲間の幼虫です。白い毛皮は、たぶん獲物にしたアオバハゴロモの幼虫とかからはぎ取ったものでしょう。
ミズヒキの茎には、ハゴロモ系の幼虫が華やかさを添えています。めでたい祝儀袋の水引のようですね。
そして、木の枝擬態のナナフシ(ナナフシモドキ)。人々はその存在に全く気付かず通り過ぎていきます。
東京原宿のカブト・クワガタ続編、虫好きレディースも参戦
その後アーバン・インセクト・ウォッチャーズ一行は、竹下通りには向かわず、ミステリー昆虫ゾーンに突入したのでありました。
そして、森に入っていくと。
しかし、ついにその時はやってきました。帰り際になって、カシの木の根元に姿を現したカブトムシ。立派な角の♂です。お客さんの喜びもひとしおですが、ガイド役の安堵はもっと大きいです。
その後は、コクワガタも何匹か発見し、とりあえずは、カブト、クワガタというメニューをそろえることができて、ほっと胸をなでおろしたのです。
麻由子の虫旅、ボルネオハイランド①
知る人ぞ知る昆虫文学少女の新井麻由子ちゃんから、待望のボルネオ虫旅レポ第2弾が届きました。今回の主戦場はサラワク州のボルネオハイランド。いつも何かやらかしてくれる麻由子ちゃんと、麻由子ママ。今回もワクワク、ドキドキですね。皆様も、待ち遠しかったことでしょう。早く読みたいことでしょう。「邪魔な昆虫記者は早く引っ込め」という声が聞こえてきました。前置きも、結婚式のスピーチも、短いのがいいですね。
2018 3/29~ Borneo Highlands!
昆虫記者さんの読者の皆さま、再び失礼いたします。新井麻由子です。どうぞよろしくお願いします。
もう夏休み真っ只中だと言うのに、やっとの春休みの虫旅レポは、マレーシア領ボルネオ島、サラワク州ボルネオハイランドです。
出発の一週間前、昆虫記者さんのタマン・ネガラからの無事お帰りのお知らせを受け、緊急ミーティングです笑。
色々やらかしていらしたお話を聞かせていただき(jiji.com
参照)、「この人は絶対に期待を裏切らない」と、尊敬を新たにせざるを得ない私たち親子。
それでいて「どうせまた何かやらかすんだから、しっかり写真撮ってくるようにね!」と昆虫記者さん手作りの愛用ライトトラップを持たせていただき、送り出されたのでした。
前回のサラワクでの美味しいものが忘れられず…
すっかりサラワクにはまってしまった私は、クチンから行けるところを探しに探し、ボルネオハイランドが有力候補に上がっていたのですが、情報が一切なく…
ギリギリまで悩んだ末、やっと最終決定に至りました。
クチンの町から車で約2時間、標高約1000m、インドネシア領カリマンタン島との国境に位置するボルネオハイランド。
今回は虫情報ほぼ皆無のここへナナフシがいそうな予感?だけを頼りに一か八かの勝負です!
前日の夜遅くにクチン入りしてすぐに前回通ったレストランへ直行、本日n回目の食事です♪
前回帰国してから何度も夢に見たサラワク料理です!心の底から「うまい♡」!
もう22時を過ぎているというのに、しかも機内で二度も夕食を済ませていたというのに、すべて飲み物のようにするするとお腹の中に吸い込まれてしまいました。
母も明日起こることなどは当然知る由もなく、機嫌よくサラワク料理を楽しみ、最高の気分でのスタートとなった今回の虫旅なのでした。
翌日は早起きして早速出かけます。クチンはマレー語で猫を意味します。町のいたるところに猫の像やおしゃれな首輪で着飾ったリアル猫ちゃんたちが溶け込んでいます。
みんな毛並みが良くとても人に慣れています。クチンの人々も猫ちゃんをとても大切にしています。
クチンちゃんおはよう!
かわいい♡
クチンちゃんはもうすぐお母さんになるみたいです。がんばってね。
こちらは猫の家族の像。
マンホールの蓋も猫!
クチンでは猫ちゃんはとても可愛がられるのですが、犬が割と厳しく飼われているようです。
大型犬を怒鳴りつけて頭をパチンと叩いた直後にまさしく猫なで声で猫ちゃんに話しかけている光景を何度か(も)見ました。> <
実は、こんなに早起きしたのには訳があります。どうしても食べてみたくて、わざわざそこに一番近いホテルを予約したというLAKSAのお店で朝食をいただくことが本日最初のミッションだったのです。
ローカルの人々に人気で、8時までには売り切れてしまうというので、開店時間の6時には支度を済ませ意気揚々とお店へと向かったのでした。
今回最大の楽しみと言っても過言ではありません。次々にやって来る車が目印になり、お店はすぐに見つかりました。
待ちに待ったLAKSAです♪すでに人がいっぱい!いい感じです!
しかーし!母は全く気がついていませんが、もはや私の目はその地味な貼紙に釘付けです。それは母にはものすごく言い難いことでした。
そうです!今の私たちにとって最もありえないことが書かれた貼紙です。
3/30~4/3 までお休み…
今日は紛れもなく3月30日。
ここからは皆さま私たち親子の落胆をお察しください。しばらくその誰もいないワゴンの前で貼紙を見つめる母。その背中には明らかに「絶望中」というテロップが見えるようでした。
何のためにクチンに来たのか…。そして二人して全ての思考がストップしてしまい、隣のワゴンで予定とは違う朝食をいただいてしまいます。
その間も、母は「なんで?」「聞いてない」などなど、ブツブツ言い続け、挙げ句の果てには「こんな悲劇があって良いの?」「お願い」とまだ見ぬLAKSAの店主へ訴え続け、その悲しみは半端ない。
これはこれでおいしかったのですが。そしてほぼ完食しかけたその時!私は大事な情報を思い出したのです!
「ある!この近くにもう一軒あったよ!LAKSAの名店!」
こうして朝からご飯のハシゴをすることになったのでした。
この豊かなエビとココナッツミルクのハーモニー!そうそう、これが本場のSARAWAK LAKSA!こちらはやや辛めですが美味しいー涙!噛みしめました!
レンタカー会社の方と約束しているので、急いでホテルに戻ります。
今回は前回の反省とともに、かの昆虫写真家の巨匠・海野さんに SUV車を借りるように言われていた母は、一旦海野さんに選んでいただいた車をそのまま予約していたのですが、直前になってそれではホテルに届けてもらえないことがわかり、急いで別の会社を探します。
けれども出発までもう日にちがなく、空いているSUV車はトラックのようなすごみありのものばかり…
その大きな車を運転できる気がしなかった母は、何れにしてもゲートに車を置いて上までは送迎をお願いするからと、またもやマレーシア国産のコンパクトカーにお世話になることになったのでした。
まだ朝食を食べたばかりでしたが、山に入るとベジタリアンフードばかりなので、クチンの町を出る前にランチです。
ナシレマクとマンゴーのスムージー♡美味 ^ ^
超美味 ^ ^
さあ出発です!走り始めて小一時間で町を抜け、次第に山道に…
途中、これで最後かもという感じのミニスーパーでお水などを調達。約2時間でボルネオハイランドのゲートに到着です。
「無事に着いたね〜」母が運転を終えホッとしています。
ただ、この日はどこまでも悲運な母なのでした笑。
早朝のLAKSAの悲劇がまだ癒えず、やっとたどり着いたと思ったその時に、ゲートのおじさんに笑顔で当然のように「自力で上まで行けるよ」と言われてしまったのです。
これはとてつもなく大きな誤算でした。そこでよく話を聞いてみると、途中オフロードかと思っていた道は綺麗に舗装されていて、ゆっくり行けば大丈夫、「No problem!」らしいのです。
「この小さい車でも?」
「Sure!」
「・・・・・」
「うそ」(母)
「大丈夫?」(私)
「泣きたい」(母)
「先泣く?笑」(私)
麻由子の虫旅・ボルネオハイランド⓶
樹上にも♪
まだこのボルネオハイランドに来て数時間だというのに、しばらくここにいるような不思議な感覚です。 この後車から全員で強力ライトを照らして、夜が更けるまで探検は続きました。 せっかく、ナナフシもミツヅノコノハガエルも登場して、大いに盛り上がっているところで、またまた昆虫記者登場です。期待を持たせて、次回につなぐ、朝ドラ的主要ですね。麻由子ファンから石ころとか、爆弾とか飛んできそうですね。
麻由子の虫旅・ボルネオハイランド③
新井麻由子ちゃんの「ボルネオハイランド虫旅レポ」第三部は、清々しい朝の風景から始まります。
翌朝陽が昇り現れたインドネシア、カリマンタンとの国境。
見渡す限りの絶景です!
ホテルの方には普通に歩いて1時間、ゆっくり歩くと1時間半と言われたトレッキングコースを6時間もかかって歩いて来た直後で、膝がぷるぷるしていたのですが、吹き抜ける気持ちいい風を一生懸命に吸い込んで復活です!
手と足だけインドネシアにお邪魔して来ました♪
鳥や虫は自由に国境を行き来しているのを見上げながら複雑な心境です。
ここはアシナガバチの縄張りだったようで、散々威嚇されながら、必死で写真を撮りました。手に乗せて見たいのですが、ハチが何度も帽子にアタックしてきます!怖
怒ってます!
とりあえず一度退散。
Nymph of Paranecrosciarivalis
かわいい!
同じ樹に6頭、上手に隠れています。
ここはハチもいなくてとても平和です。
随分時間も経ったのでさっきのコケナナフシの樹に戻ってみると、やっぱり同じ場所にいます。手に乗せて喜びのひとときを過ごしていたのですが、すかさずアシナガバチも戻ってきてしまいました!
しかも更に怒っています!
厚手の帽子を被ってきて良かったです。
ここで立ち止まるのを諦めて先に進むことにしました。
こちらもベビー♡
ここでまた、昆虫記者登場で一区切りです。CMの多い深夜番組みたいですね。中断されるたびに腹がたってきますね。いよいよ次回は感動の最終回。待ち遠しいですね。
麻由子の虫旅・ボルネオハイランド④世界最長ナナフシ
母もボルネオハイランドの山道に慣れて来て、この日は山を下りてAnnah Rais hotspring へ♪
ハイランドのゲートを出てそう遠くありません。
綺麗な川沿いを走ります。
車中から2度アカエリトリバネアゲハを確認!
期待が膨らみます♪
でもここの受付のおじさん曰く、
「虫は一匹もいない!」
「蝶々もいないの?」(私)
「蝶々はいる」(おじさん)
「いるんだ」(私)
「イモムシは?」(私)
「いない!」(おじさん)
「トンボは?」(私)
「あー、トンボならいるかもしれない。蝶々とトンボ以外の虫はいないから安心して楽しんで来なさい」(おじさん)
おじさんには「虫に会いたくて日本から来ました」とは言えなかった。言うタイミングを完全に逃してしまった。
いかにも虫が多そうな高温多湿の体感温度。ハイランドから下りてくるだけで日差しも気温も全く違いました。
温泉がある川に向かう道の両側に誰かの食痕がおびただしくついた樹々が並んでいる。もしかしたらディラタタなどもいたりしない?そんな雰囲気です。
大型のいろいろな蝶も優雅に飛び回り…
足元には無数のハンミョウがせかせか歩き回っています。
(昆虫記者の余計な解説=本当なら、ここに美しいヤツボシハンミョウの集団の写真が入るはずだったのですが、どうやら麻由子ママが、何やらやらかしたようで、写真を消去してしまったらしいです。そのせいで新井家で、どんな血生臭い争いが起きているかは、知る由もありません)
石で丸く囲ってあるところが温泉です。
川底からポコポコとお湯が湧き出ています。源泉を足で塞いで見るとうっかりやけどしそうな温度です。
お湯は適温!歩き疲れた脚が癒されます♪極楽です♪
おじさんの予告通り、温泉のふちには赤とんぼがとまっています。あのおじさんは正しかったのです!
このいかにも虫が多そうな環境の中、実際に見ることができたのは蝶とトンボとハンミョウだけだったのでした!
蝶とトンボの他にハンミョウもいたことは、おじさんには黙っておきました。
帰りにオランアスリの村に立ち寄り、搾りたてのサトウキビジュースをいただきました。
おばさんがこの装置を使ってサトウキビジュースを絞ってくれます。
ビジュアルが少々微妙だったため、ちょっとためらいましたが、隣でおばさんがにこにこと見ていて笑、覚悟を決めて一口…
氷の中でキンキンに冷やしてくれていたこともあり、全く恐れる味ではなく、
「おいしい!」と言うと、おばさんはさらににこにこ ^ ^
私もなんだか嬉しくなってにこにこ ^ ^
帰り道、唯一のカフェで遅めのお昼です。
Sarawak Laksa
お店によって味が全然違うのですが、こちらのLaksaもとてもおいしかったです。
◇世界最長級、巨大ナナフシついに登場
(昆虫記者です。邪魔だと言われても、顔を出さずにはいられません。みなさん、心の準備はいいですか。なんと、なんと、世界最長級、60センチクラスのナナフシ、ついに登場します。みなさん、息を止めて、かたずをのんで、ご覧ください。)
さて、そろそろ下山する日が近づいてきました。
ここで私のナナフシ人生最大の出会いをご報告させてください。
Phobaeticuskibyii !!!
全長600mm以上です!
まさかナナフシをおんぶできる日がくるとは思いませんでした!もしかしたら一生に一度の出会いだったかもしれません。
尊過ぎて身体中から喜びが溢れ出してしまいます。
これまで標本などを見てどうしてここまで大きくなる必要があるのかと思っていましたが、実際にジャングルにいるところを見たら妙に納得してしまいました。
大きい方が都合が良かったのかもしれません。
このサイズは想定外過ぎて、小さいナナフシよりも更にナナフシとは認識できないのです。
だからかえって敵にも見つかりにくいのかもしれません。
大きいからこその利点…
森に溶け込んだ後は滅多なことではピクリとも動かない上、この時のように万一見つかってしまったとしても、背中を触っても手に乗せようとしても頑固に樹にしがみつき、怪力を発揮して枝のふりを貫きます!
それでも樹から剥がされてしまうと、今度は長い脚で全速力で逃走します。私の足から頭までたった2歩!
一歩が大きい上に意外と早足で驚いてしまいます。
この時ばかりは舞い上がってしまい、ジロジロ見てごめんねと思いつつも夢中で顔を観察したり、手にぶら下げ頭に乗せ…
必死で撮った写真は180枚を超えていましたが、多分嬉しさ余って手も震えてしまっていたのかもしれません。ボケていない写真はほとんどないと言う失態です。
昆虫記者さん!ごめんなさい!
またこれで私的にクチンの評価が上がってしまいました!どうしてこんなにクチンが好きなのか!それは、おいしいもの、激安足つぼマッサージ、そしてナナフシ!私に必要なものが全て揃っているからなのかもしれません!
今回見つけることはできませんでしたが、コノハムシもちゃんといるそうです。そして今回は前回出会えた方々が覚えていてくださって、とても親切にしていただきました。
ナナフシが運んできてくれた素敵なご縁が海外にも広がっていくのはとても幸せです。
今回は特に、この巨大ナナフシとの出会いに酔いしれ続け…
これまでで一番帰りたくないと思った虫旅でした。でもこれは、毎回必ず思っています。
だから虫旅はやめられない!だから、虫好きは止まらない!
旅は虫連れ、世は情け!ナナフシガールの虫旅は続きます。ボルネオハイランドの虫や自然たち!ありがとう!
ナナフシに偏った虫レポを最後までお読みくださりありがとうございました。昆虫記者さん!ありがとうございました。
次回のサイヨークでもぜひ斜め上を行っていらしてください!
2018年7月
新井 麻由子
(昆虫記者です。麻由子の虫旅、すごいですね。60センチ級ナナフシといえば、世界最長級です。ギネス級です。メジャーを持っていくのを忘れたらしいですが、絶対持っていくべきでした。せめて麻由子ちゃんのこの青い上着は保存して、ナナフシの体長の推定を記録すべきだと思います。とんでもない記録かもしれないですよ、これ。やはり、麻由子ちゃんは、何か「持ってる」と言わざるを得ません。今頃は、また海外虫旅の最中のはず。行き先はタイのカオヤイです。持ってる麻由子のタイ虫旅の成果にも期待しちゃいますね。)